蓮、ごめんね。
沢山迷惑かけて、沢山護ってもらったのに。
あたし頑張るって言ったのに。
ヤバい、鼻の奥がツンとしてきた。
「……なんてな、ちょっと言ってみたかった。社長っぽいだろ？って、おい！泣くなよ！」
「うぅっ…、ずみ゛ま゛ぜん゛。あた、あたし、がんばり゛ま゛ずがら゛ぁ！」
「わかってる、わかってるから！冗談だって！」
ズズッ、ｸﾞｽﾝ
社長が何か言ってるけど、自分の鼻水の所為で全然聞こえない。
まだ怒ってるよ。社長、顔恐い。
「落ち着こう、ヒメ？泣かないでくれよぉ……参ったなぁ。どうすりゃ泣き止むんだよ、こんなことならさっき蓮に聞いときゃよかった…」
今ッ！なんてっ？
あたしは勢い良く顔を上げた。
「しゃ、社長は知ってるの？今蓮はなにしてるんですか？何処に居るんですか？
まさかあたしっ……避けられてるんですか？」
