俺様☆姫様★王子様 2 【完】





それから数日が経って、あたしはアムールの契約の為、天宮社長と以前ナナコスメの打ち合わせ時に利用させてもらったホテルのロビーに居る。


併設されてるカフェ。
早めに来たあたし達は一番奥の角席に座って、アムールの交渉人を待つ。


カフェオレを飲もうと伸ばしたら、視界に飛び込む手首。




蓮は何してるんだろう。


ラーメン屋さんを出て以来、顔を合わせてないあたしは、ふと思い出しちゃう。

部屋で見せた苦しそうに歪んだ瞳を…。


絶対名波さんと何か関係してるんだよ。

それは確かなのに聞けないままなんだよね。


あの日からたまにメールがくるだけで、何処に居るか聞いても教えてはくれない。
Sクラスだから登校しているのかさえわからないし。

多分寮にも居ない。

また海外撮影なのかなとか思ってたけど、柚亜さんに確認してもらったところ、全て予定は国内。それも近場で。



一体何を隠してるんだろう。





「どうした、ヒメ」

考え事をしていたら、声をかけられてしまった。