すると二本の細いものが、するすると伸びてきた。


「あーっ!」


あたしのチャーシューがごっそり奪われた。


「ちょっと!あたしのチャーシュー!」


奪い返してやろうと、あたしもお箸を伸ばすんだけど。


パシッ


はらわれた;




そして何食わぬ顔で、またラーメンを啜る。


あのねぇ。

せっかくおじいちゃんがいっぱい入れてくれたのに!
これ美味しいのに!



自分の器を見たら、ホントにごっそりなくなってて、2、3枚しか残ってなかった。

「…そんなにお腹空いてたんだ。言ってよね、お腹鳴らす前に」


そうだよ、あの時聞こえたのは蓮のお腹の音だってば。


と思ってたのに。



「はっ、お前のだし。自分の腹の音もわかんねぇのかよ、バカ」


鼻で笑った。

さっきからだんまりだったくせに!

ムッカ~っ!!


怒ったかんね!



「バカバカ言わないでよっ!あたしじゃないもん!」


「……」


無言で凄く凄く、冷たい視線をおくられたのでした。