「飯、行くか」


その一言で、固まった空気が幾らか和らいだ。

最も蓮が苦笑いしたからなんだけどね。










「そんなにお腹空いてたの?早く言ってくんなきゃわかんないじゃん」


「はあ?お前だろーが。色気ねぇな、マジで」


なに言ってんの?!
色気ないなんてっ!!
乙女に言うセリフじゃないよね。

確か、前も言われた気がする。

う゛にゃぁ~!ぐやじい゛っ!!


お腹鳴ったのだって蓮の癖に。


ラーメンを啜る、眼鏡の蓮を睨んだ。


奏くんと言い合いして、食べたくて堪らなくなったらしい蓮に連れてこられたのは、寮に隣接している中華飯店。

ここなら気合いの入った変装しなくたっていい、言わば安全圏のお店。

だから結構普通に”レン”な感じがする。


ホントにだて眼鏡かけただけだし;