そんな彩名が登場したら、さっきまではしゃいでたキャンキャンガールズは、更に人数を増やしてあたしを含めて9人になった。
また騒ぎ始めた彼女達を余所に、鞄を置きに行った彩名に駆け寄る。
「彩名、さっきの…」
鞄から教科書を取り出して、机にしまいながらあたしに視線を移した。
「あぁ、レンくんの事でしょ?」
「………」
バレてる;
蓮の名前なんて出してないのに何でだろう?
どう返事したらいいのかわからないあたしは、目を泳がせる。
それを見た彩名はクスッと笑うと、メンバーと同じユル巻きの髪を耳に掛けて、前の席に座るよう促した。
だからあたしは、ちょこんと椅子の端に座って彩名の机に手を添える。
「レンくんはこの学園に在籍してるけど、滅多に会えないんだよ?」
なんで?
あたしは入学式当日から会いましたけど。
……まぁ最悪だったけどさ?

