「みんな、失礼よ?」


キャンキャンガールズのボスらしき女のコが、それを静止させる。


えっと……確か、小柳さんだっけ?


背がスラッと高くて、線が細い。
それなのに胸はあって、おまけに顔は拳くらいなんじゃないかって程ちっちゃい。

クラスで一番大人っぽい、正真正銘の美女。


そんな彼女に遮られたキャンキャンガールズは、一声で黙る。

………ヤバい。

マジもんのボスですよ。





静かになった中、ずんずんとモーゼの如く道を開け、小柳さんはあたしの前に聳(そび)え立つ。


「榛原さん、ごめんなさいね?皆悪気があるわけじゃないの。ただ、ずっと仲良くしたいと思っていたんだけど、夏目さんが居たでしょ?」


ナツメサン?

誰だ?


「ほら、瑠奈ちゃんだよ」


キャンキャンガールズのひとりが言った。


あぁ!瑠奈!

そうだ、夏目…瑠奈だ。


でも何で瑠奈が居たから仲良く出来なかったの?