結局無理矢理入ってきた蓮に、メイクをされるという、可笑しな状況になったわけで。
「ね……ねぇ…?学校遅れちゃうよ?」
「んなもん別にいい」
「やっ、でも蓮は行くつもりで来てくれたん……だよね?」
「ほら、動くな」
緊張し過ぎて何か質問を…と、ちょっと鏡越しに覗き込んだら怒られました。
だけど今のあたしは、
「……はい」
なんて言葉しか吐き出せやしない。
その後も坦々と進む。
目の下にはハイライトを入れて、腫れぼったい目には、アイプチで二重をつける。
アイシャドーをいつものゴールドと違う、濃いめのブラウンを。
軽い手つきでブラシを滑らせる蓮に、何故か言い負かされる疑問符だらけのあたし。
う~む;
なんてこったぁ……。
この沈黙をどうクリアーすればよろしくって?
さっきから超ドアップの色気ムンムン男を、どう回避しろと?
襟からチラ見してる鎖骨がエロいのよ!
その、たまに髪をかきあげる仕草が堪らなくセクシーなのよ!
あぁっ!この垂れ流しの妖艶さがムカつく!

