―――…!!!
「……あっ、ヤだっ!見ちゃダメェッ!!」
覚醒した脳が状況を理解して、両手で腫れぼったくカサカサしてる顔を覆って隠す。
その瞳に写りたくない。
うだうだしてないで、さっさとメイクをすればよかった。
徹夜なんてしなければよかった。
そんな自分が憎らしくなった。
「なにしてんだよ」
頭上から落ちるのは、明らかに呆れた声。
見られちゃったんだ。
只のノーメイクなら良いの。
普段もガッツリメイクじゃないから。
だけど、今日は。
今日だけはっっ!
「中入れろ」
「へっ?」
無理無理無理無理っ!!
絶対無理!
部屋の中なんて入ったらおしまいじゃない!?
隠れる事も出来ない上に、確実にばっちり見られるじゃんか!
断固阻止だからっ。

