俺様☆姫様★王子様 2 【完】



無理矢理重い腰を上げる。


遠い……。
うちの玄関ってこんなに遠かったんだろうか。

身体のあちこちが痛いし、この上なく眠い。



今あたしはボロボロなのに。

凄くやる気ゼロなのに。


朝っぱらから来客なんてついてないよ。
誰なの?非常識人。


何度もなるチャイムに苛々しながら、やっとの思いで辿り着いたドアを開ける。






カチャ――…






「いつまで寝てんだっ………ってお前……」


黒い革靴が喋った。




「いや……っと…姫華…。だよな?」


聞き覚えがある声と、”姫華”というワードに反応して、視線を上げると…


久しぶりに見た。
白いカッターシャツを第2ボタンまで開けて、黒いネクタイをする、可憐な男。

うちの学校の制服姿の、男。約1名。



人がパニクってる時に、わざわざ家に来たこの人がムカつく。

確かにムカついてるんだけど。