「はっ?!」
天宮社長に向いていた鬼がこっち向いた。
ってか、え?
柚亜さん、あたし変な事言った?
たじろぐあたしを余所に、鬼が……もとい、柚亜さんが口を開く。
「それはレンくんの手がまわってるからよ」
「うえええええっ?蓮っ?」
「はぁ………ヒメちゃんがこの業界に入るって決めた日から、レンくんが全てをシャットアウトしてるの!それこそマスコミもね」
「……っ!?」
まさに絶句。
言葉のひとつも出やしません。
だって。
蓮ってば、そんなこと一言も……。
「蓮はヒメちゃんにベタ惚れだからな。自分の所為で業界人に目を付けられたって悔やんでたし」
はは、と笑うのは天宮社長。
いや、それはあたしがやる気になっちゃったからで、蓮の所為なんかじゃないのに。

