「ヒメちゃんは受けてくれるんだよね?」


あたしの左手首を指して、にっこりと微笑む天宮社長。


柚亜さんはそれを二度見して、目はぱちくり、口はあんぐりな感じで。


えっ?あたしなんか変………?


ってか。


「わわわっ、これは蓮がっ」


柚亜さんの刺々した視線が痛すぎて、左手首を右手で覆うと、後退る。


「社長、レンくんを使ったんですか?」


ずいっと手首を掴んで、天宮社長の前にそれを突き出す柚亜さん。

ぷらん、と揺れるパールとキラキラ。



ってか、顔コワッ!



鬼の形相……に天宮社長も一歩退いてる。


「いや、それは…渡してくれと頼んだだけで……そんな事考えてないぞっ」


「いいえ、社長!勝手に受けておいて後は人に任せるだなんて、大人のすることじゃありません!!」


「……別に任せてなんて…」


「何か仰いましたか?」


鬼の柚亜さん、ひと睨みして溜め息。
急に背筋をピンと伸ばす天宮社長。


なんかウケるかも。



「良いですか?ヒメはまだ素人同然です。そんな子がこの大きなプロジェクトのメインだなんて、他のモデルが黙っているとは思えません」


あれれ?

あたしが未熟者だからってか。
まぁ確かにそうなんだけど。