………とまぁ、そんなうまく行くはずもなく(当然なんだけど)
「なに今更照れてんだよ。昨日全部見たじゃねぇか」
シーツの上から大魔王、死の宣告。
全部見たっ?
あ~~っっっ!!!
そうじゃん、昨日……お風呂入るってなって連れていかれて。
きゅぅ~~~~~っ!
思い出しただけで恥ずかしい。
変な声聞かれたよね?
もぅやだっ。
「オラ、出てこいよ」
つんつんと、シーツの上から頭をつつかれる。
「………ヤだ」
「おい」
「ヤだ、無理っ!眠いっ!」
「おーい、ひーめーかー?昨日はあんないやらしい顔見せてくれた…」
「なっ!!!!」
思わずシーツを捲って、顔を出してしまった。
あぁ………終わった。
青春よ、さようなら。
諦めの悪いあたしは、半分顔を隠して、目だけをキョロっと蓮に向ける。
「やっと起きた。ったく、どんだけ寝る気だよ」
それは大魔王じゃなくて、やっぱり素敵な王子様だった。

