「ほら、こっち」
「……ほぇ?」
突然温もりが消えたかと思うと、手を引かれてバスルームから脱出。
なんだ、冗談か。
アメリカ故にアメリカンジョーク!?
手の込んだ事してくれるじゃない、王子。
ちょっぴり残念な気持ちを残して、バスルームから出る。
なんだか、ね。
のぼせたかも。
そこは少しひんやりしてたけど、全身冷気にあたりたくてふらふらとリビングへ出ようとノブに手を延ばそうとしたら。
「おい、そっちじゃねぇ」
低い声が背後で響いた。
ピタリと静止するあたし。
「えっ?アメリカンジョークでしょ?」
振り返ってそう言ったら、舌打ちをした後、思いっきり溜め息をつかれた。
グイッ
「ひゃっ」
「脱がされるのと、自分で脱ぐの、どっち派?」
「や、え?は?」
「俺は脱がせたい派なんだけど」
「ばっ、バッカじゃないのぉ~!!」
ダメだ、今日の蓮は特に。
だってほら、またそんな顔になる。
捨てられた仔犬みたいな。
だからあたしは、

