俺様☆姫様★王子様 2 【完】


ピッ


柱に取り付けられた何かに手を伸ばし、それに触れた。


ピッピッピッ…


蓮の綺麗な指がそれに何度か触れて、何の為にあるスイッチなのかやっと理解するあたし。


段階を踏んで、真っ白だった壁が、薄れていく。

乳白色から、徐々に半透明になって。


「……っ!!」


息を飲んだ。

口元に手を当てて、蓮と透明になったそれを交互に見る。

彼はまたしても美しい笑顔をしていて。


「どう?姫は、気に入って頂けたかな?」


こんな景色を見せられて喜ばない女のコが存在するんだろうか。

あたしは、ふるふると首を振ることしか出来ず、ゆっくりと近づいた。


さっき壁だと思っていたものは、ガラス。
それは白さの名残もなく、真透明で、遠く眼下に見えるのはキラキラと眩い赤や黄色、青といった色とりどりの光の洪水。


今まで見てきた夜景なんて、足下にも及ばない程に、贅沢な光達。

一面に貼り付けられたみたいに、そこからだけキラキラが見える。

それはまるで絵画。



「蓮……。ヤバい」


感動なんてもんじゃないよ。

目頭が熱くなるし、胸も苦しくなる、そんな感じ。