俺様☆姫様★王子様 2 【完】


ピチャン……


指先を少しお湯に浸して、ひと掬いしてみる。


「素敵」

薔薇の花びらと共に、思わずそんな言葉と笑みが零れ落ちた。


「ひゃっ……びっくりし…」


後ろから抱きすくめられて、顔だけ振り向くと。


うっ……この色気はなんだ。
やや潤んだ瞳、リップもつけてないのに艶々した唇、そしてほんのりピンクがかった頬。


これは立ち込める湯気の所為?それともこの照明?
それとも……


「ふ、どっちも不正解」

「えっ?」


そのウルウルな瞳をそばめて笑う、王子様。


あたしの肩にそっと頭を乗せると、ふわっと香るいつもの香り。

毛先が頬っぺたにあたって、ちょっとくすぐったいよ。


「姫華の所為……」


低くて心地の良い声が聞こえて、

「……ぁ……ん……」

首筋に柔らかい感触。

リップ音がいつもよりも響くから、余計にいやらしさを増す。