「ほら」
ストンと足から下ろされた。
ひんやりしてて、火照ったあたしには丁度良い。
そして、あることを思いついたあたしは、更に奥にあるドアを目掛けて小走りをした。
カチャ
視界に飛び込んできたのは。
「何これぇ~!」
予想より声が凄く反響して、自分で吃驚した。
バカが付くほど広いバスルーム。
こりゃまた大理石っぽくて、洗い場なんて大浴場並。
そして、既に見慣れてきたシャンデリア。……ここもかい。
さらにシャワーでさえ、ヘッドがキラキラ。
そのど真ん中にバスタブ。
バスタブなんて言っちゃいけないくらい凄く大きくて、大人が何人入れるんだろ。
そして、お決まりのようにお湯に浮かぶ薔薇の花びら達。
わくわくしちゃう!
これぞあたしの憧れだし!
まるでお姫様。
ううん、蓮が王子様だから、さしずめあたしはジズニーのシンデレラ?
……いや。ちょっと違うか。

