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「雅先輩に挨拶できなかったじゃない!」


引っ張られてそのまま駅前でタクシーを拾って乗り込んだあたし達。


「うるせぇな。アイツなんかに挨拶しなくて良いって」


タクシーの中だって言うのにこんな感じで…。


「酷い!雅先輩はあたしを助けてくれた恩人なんだから!」


「ハッ、案内しただけだろぅが」


「えっ……」


何で知ってるの?





「あのぅ、お客さんどこまで?」


「夕日テレビまで」


蓮は運転手さんに一言だけ告げて、ドアに肘をついて窓の外を見た。