俺様☆姫様★王子様 2 【完】



ふたりの痴話喧嘩を聞いていて、絡まった糸がほどけていく気がした。


雅先輩が蓮のお父さんを、叔父さんっていう。


蓮が雅先輩のお母さんを、叔母さんっていう。


その関係って……もしかして



「いっ、従兄弟!?」



あたしがあんまり大きな声を出したもんだから、吃驚した行き交う人達がチラッと見ていく。


「お前うるせぇ」


隣から不機嫌な蓮の低い声が聞こえて、少し肩を小さくした。


「でっ、でもっ」


従兄弟だなんてあたし聞いてない。


そんなあたしの心の声が聞こえたのか、雅先輩が自分の唇に人差し指をあてながら、あたしに向けて優しく微笑んでる。


その仕草があまりにも綺麗で、あたしはつい見とれてしまった。