「……はい…大丈夫です。お気遣いなく」
振り返ると、苦笑いのような、何とも言えない変な顔した宇都宮さんがいた。
そんな顔しなくたっていいじゃん。
ってあれか?
痛すぎて顔が歪んじゃうとか?
だったらヤバいじゃん!放っておけないよ。
「無理しないで下さい!大丈夫じゃないんでしょう?何処をぶつけたんですか?って、あ!全身ですよね?ヤだっ、病院行きましょう?」
そうだよ。
何かあってからじゃ遅いんだから!
なんであたし気がつかなかったんだろう。
先ずは病院だよ!
肋骨折れてても気付かない人だって居るって聞いたことあるし。
もしそれが肺に刺さったら大変な事になっちゃうよ。
「ねぇっ、蓮っ!早く病院連れていかなきゃダメだって!」
未だにあんぐり口を開けてる、間抜けな蓮の肩を揺すった。

