”スーツマン宇都宮”と蓮の間に無理矢理割って入る。
「蓮っ!!暴力はダメだよ!この人だって、蓮の事を大切に思ってるんだよ!そんな人を殴っちゃダメ!あたしは大丈夫だから!」
全然大丈夫じゃないけど。
ホントはあたしが殴り飛ばしたかったけど。
咄嗟に出た言葉に、自分でも焦るし。
暫くあたしを凝視してる、蓮。
凝視っていうよりも、鳩が豆鉄砲食らったって感じ。
うん、正に。
ぽかんとしてて、口なんて半開きだよ。
「ひ、め……か?」
ぼそぼそと言葉を拾いあつめる蓮の手は、いつの間にか”スーツマン宇都宮”から離れていて、だらんと垂れてる。
はっ!!
そういえば…
「スーツマン、大丈夫っ?ケガしてないっ?」
ふと背後に隠した宇都宮さんを思い出した。
この人飛んだんだよね;
もしや、流血とか。
……いや、骨折とかしてやないでしょうね?

