「それに拝見したところ、こちらの御方は坊っちゃんとはとても釣り合いません。あなたもご身分をわきまえて頂きたい」
蓮に向けられた視線が、最後はあたしの方を鋭く睨んで言った。
!!!!!!
なんて酷い言われようなの!?
あたしあんたにそんなこと言われる義理ないしっ!
ムカつくムカつくムカつくっ!
言い返してやろうとしたのに。
「黙れよ、宇都宮」
地を這うような、ここ一番の低い声。
そして、目の前で”スーツマン宇都宮”の胸ぐらを掴む、蓮。
ドス黒いオーラを纏ってる。
これはきっと本気で怒ってくれてるから。
「宇都宮、お前はいつからそんな口叩けるようになった?聞こえなかったか?俺が良いって言ってんだろ?」
掴んだ襟元を引き寄せて、さらに詰めよった蓮は、静かに怒りを露にする。
不気味なくらいニヤリとして。

