「で?あたしを何処に連れてく気なわけ?」 まだお腹を抱えて笑うカインを視界の端に捉えつつ、外を見ながら言った。 わぁ…雲の上だ。 雲って歩けるのかな?歩いてみたい。 なんなら孫悟空みたいに飛んでみたい。 や、現実には不可能だって知ってるけど、さ? 人間は可能性に満ちてるんだよ。 空想、絵空事から全ては始まるんだから。 例えばこのジェット機だってそう。 あの有名な兄弟が大きな空想を描かなければ、昨今の進歩なんかない。 大金持ちが、自分専用の飛行機を所持するだなんて。