一瞬頭の中が、真っ白になった。

蒸し暑い空気が、あたしの髪をばらばらと荒立てて、はらりと胸に戻ってくる。



目の前に居るチャラ男の、やや茶色がかった瞳がギラついて。

ゆるゆると上がったその唇を見て、背筋がゾクッとした。




「蓮が……どうかしたの?」



あぁ。わからない。


あんたは一体何者なの?

あたし達の事知ってるみたいだし。
ううん、スケジュールまで知ってるなんて、軽く知ってる程度なんかじゃない。


蓮に関してもそう。



どうなってもって?