ずいずいと腕を引っ張られて、半ば引き摺られてる感じ。
時がたつこと、約10分。
「ねぇ、あんた何者なの?」
強制的に車にねじ込まれて、なんでこんなところに連れてこられたのよ。
しかも、レディを乗せてるくせに超運転荒かったし。
」事故ったらどう責任取ってくれんのさ」
なんて悪態つきながら、車から降ろされる。
それも、真っ黒いスーツを着た男の人に丁寧にドアまで開けて貰っちゃって。
「ありがと…」
一応お礼を言って、外に足を伸ばして。
固まった。
「此処って、中谷財閥の……」
「おぉ~、良く知ってんじゃ~ん」
「なんであんたが」
「まぁまぁ、良いから乗りなよぉ~」
「う、うん……って!乗れるかぁ!!」
チャラ男に足げりを食らわした。

