ちょっと待て。

状況がわかんない。


この体制は一体どうしちゃったって言うの?


ソファーに倒れ込んでるあたし。

その背中の下には、蓮の左手があって、衝撃が軽かったのは、蓮が支えてくれたなんて事はわかる。


だけど。


右手は何処なのさっ!




目だけで探してみたら、どうゆうわけか、彼の利き手は、あたしのスカートにあった。



「きっ、……きゃあぁぁっ!なななっ、なにしてんのっ!」


「何って、ナニ?」


「はい?意味わかんないんだけどもっ!」


「いいから黙れって」


そんなんであたしが言うこと聞くと思ったの!?





えぇ、聞きますとも。

今なら何だって聞いちゃうよ。悔しいけどね。


あんまりにも、キレイだから。

あたしを見下ろす瞳が、なんか揺れてる気がするから。



どの表情ひとつ取ったって、全て美しい。

完璧なまでの美しさ。


そう、完璧。