より一層ご機嫌ナナメになった蓮様は、あたしの肩にある手の力が若干増した気がした。
怒られるっ!!!!
と思った瞬間、ぐっと体を起こされて抱きしめられた。
トクン……
蓮の鼓動が聞こえる。
ああ、暫くこうしてなかったな。
何て事を思ってたら、充てられた蓮の胸から声が響いてくる。
「…はぁ…ヤバイわ…」
「なっ、何が?」
自分の両手を蓮の腰にまきつけて、顔を胸に沈めたまま、伝わる声に聞き返す。
「………撮影もうすぐ終わりだよな?」
「あ~、そだね。あっという間だったよ」
そう、撮影なんてもうほんの少し。
多分此処に来るのも、あと1、2回じゃないかな。
でも何で今その話?

