そう思ったら、一気に血の気が退いていく。
ヤダ
どうしよう
何でこんなことに……
あぁ、蓮と付き合ったからか。
あたし一生分の運を使い果たしちゃったんだね。
そうだ、きっと。
どう足掻いたって一般ピーポーなあたしが蓮と付き合って、おまけに芸能界デビューなんてね。
うまく行きすぎてるはずだよ。
今や天下のレンだもん。
どう考えたって釣り合いようが無いよ。
此処で殺されたって仕方ない。
あたしは幸せだったんだから。
例え数ヶ月でも、蓮の隣に居られて幸せだったんだから。
未だ止まることの無い足音を聞きながら、そんなことを考えていた。
最早恐怖感は無くなりつつあって、その代わりにあたしの頭の中には蓮の顔ばかりが浮かんでいた。

