レンのおかげでこんな良い控え室を用意してもらえた。
彼氏だなんて口が裂けても言えないけど、社長に一言伝えてくれてたみたい。
何て言ったのかは教えてくれなかったけど。
まぁなんにせよ、レンの知名度で新人のあたしがソファーがある控え室を使わせてもらえてるんだよね。
そんなことを考えていたら、瞼が重くなってきた。
「あたしちょっと社長に電話してくるね。後で起こすから寝てて良いよ」
「……ん~、わかったぁ」
半分夢の中に落ちながら、なんとか声をだした。
ドアが開く音がして、パタンと閉まった。
そして睡魔に襲われたあたしは、そのまま意識を手放した。

