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「はぁ………疲れた」
「まぁまぁ、このリハ終わったら一旦休憩取るみたいだからがんばって!」
「う゛~っ、がんばる…」
くらくらする体を柚奈さんに支えられるようにして、この熱気ムンムンしたスタジオを後にする。
控え室に戻るなり、ミネラルウォーターを流し込む。
ぷはぁ~っ!堪んないっ!!
喉を通って胃に入るこの感じ!
ペットボトルをテーブルに置くと、備え付けのソファーにゴロんと寝転がる。
撮影に入ってから多忙な日々を送っていたあたしは、ぼんやりと天井を仰いだ。
「ふふ、かなり疲れてるね」
柚奈さんの声がした。
「ん。ほんとに」
慣れない芸能界は凄く気を遣うんだ。
おもいっきり素人のあたしは、スタッフ全員に挨拶してまわらなくちゃだし、誰よりも先に楽屋入りしなくちゃならない。

