「っとに…おもっ…い…」
パパが放置した2つのキャリーバックを、ズルズルと引き摺りながら1人でなんとかロビーまで運んだ。
1人だよっ?
酷くない!?
ママは「若い姫ちゃんが運んでね」なんて言いながら、フリフリの日傘をくるくるまわして行ってしまった。
「全く…あたしだってか弱い乙女だっつうの!」
ブツブツ独り言を言っていたら、背後に人が立っているのがわかった。
流れる汗を拭って振り向いたら……
「こんなとこでなにしてんの?」
見たことある、チャラいけど爽やかな笑顔…
「かっ、要くんっ!?」
数ヶ月前の出来事を思い出し、ちょっと気まずい。
(わからない人は『俺様…1』ご参照ください♪)
「久しぶり!相変わらずだね、姫華ちゃん」
「相変わらずって?」
「相変わらず……ちっこいね」
はっ?酷っ!!
気まずいとか思ったのに、何言ってんの?

