ゆっくりと静かに発車する高級車。
名波さんはいつも以上に丁寧に運転してくれている感じがして、嬉しい反面なんだか笑えた。
「パパ、仕事大丈夫なの?」
静かな車内。
だけどずっと気になってたから直ぐに聞いてみた。
「あ、あぁ。大丈夫だよ。他の誰でもない姫華の為だからね、文句は言わせないさ。そんなことより、姫華こそ大丈夫なのか?」
「えっ?…うん、「すみません、お父さん。俺のせいでこんなことになってしまって…」
大丈夫だよって答えようとしたのに、振り返った蓮に遮られた。
俺のせいって……。
蓮のバカ。まだ責任感じてるの?

