もう無理っ。


下を向いて、歩く人からできる限り泣き顔を見られないように、サイドの髪の毛を垂らして隠す。



他の人と笑う蓮の声なんか聞きたくないし、見たくない。


あの人と居る蓮なんて、蓮じゃない。


あんな蓮キライ。

あんな綺麗な女の人なんてキライ。





胸の奥底にある、どす黒くてドロドロとした醜い感情があたしを支配していく。



やっぱりあったんだ…

あたしにも。



恋をした人だけが知ってる、醜いイヤなイロ…


琉奈が染められてしまったイロが。