「そう。本当は昨日夕方6時からだったんだけど、蓮が姫華ちゃんを送ってからって言うから監督に他のシーン先に撮るようにお願いしたんだよ」
それ………完璧あたしのせいじゃん。
「余計な事喋んな。姫華のせいじゃねぇから」
「や、でも…やっぱあたしのせいだよ…」
急に契約しちゃったし。
ずっと居てくれたからてっきりお休みだと思い込んでた。
ダメだ、あたし。
やっぱりバカだよ。
よく考えてみれば、蓮は今一番忙しいはず。
映画もあるし、ドラマだってまだ終わってないし。
そんなのわかってたじゃない。
なんでこんな時期にこんなこと引き受けてしまったんだろう。
これじゃ足を引っ張るだけじゃん。
「気にすんな。俺がお前と居たいだけだ」
蓮はあたしの頭に軽くポン、と手を乗せた。

