「おはようございます!遂に姫華ちゃんも今日から芸能人だね!あ、もう”ちゃん”付けなんかで呼べないね」
朝から大人な雰囲気を醸し出す名波さんは笑顔でそんなことを言う。
「とんでもないです!あたしただのイメージキャラクターってだけですよ?芸能人とか、そんな大それたモンじゃないですって!」
これ、本心。
だってあたしはホントに芸能人なんかじゃない。
ただのイメージキャラクターだよ?
広告の端にちょっと写るくらいでしょ?
なんて事を思いながら車に乗り込んだ。
「何言ってんの!ウチの事務所は売れっ子ばっかり……ってか、何で蓮も一緒なんだ?」
後部を振り返った名波さんが蓮を凝視してる。
それも凄く焦ったような顔をしてる。
どうして?

