最初で最後の言葉

「ごめん」


あなたは悪くない



私は涙を拭った


「何で謝るの?これは嬉し泣きだよ」

精一杯の嘘をついた



























そして、親戚の集まりがお開きになり、私は車に乗った

窓の向こうにはあなたがいた



私は気付いてないフリをした

見たくない…
だって、泣いちゃいそうになるから

話さない…
だって、私の気持ちを吐き出しそうになるから




「ごめん。ありがとう」


車が走りだした時


あなたはそう言った



きっと、私の気持ちを知ってたんだね
知ってて、知らないフリをしてくれてたんだね

あなたの優しさに涙を流した