「おおい、本隊から援軍がやってきたぞぉ! 総門を開けぇ」

 大声疾呼が響くと数秒ほど門番達が驚き慌てふためいた様子でざわめいていたが、すぐに幾人かが確認を取りに向かった。残った数名は聞き耳を立てられているとも知らずに口々に疑心やら安堵やらを交錯させていた。それらの中で、私の不安感を増幅させ、酷く心をかき乱すものが耳へと運ばれてきた。

「聞いた話だが、彼の皇国が我が国に同盟の証として若年の優れた将軍を貸与してきたそうだ。もしかすると此度の増援隊の将はそいつかもしれんな」