誘惑プリンセス【BL】

「一組しかないから雑魚寝になるけど、それでも良ければ……」

「全然構わないっす。じゃ、お借りします」


 立ち上がった律くんは、陣くんを抱えて廊下に出て行く。

 ヒメはその後に着いていった。

 隣はヒメの荷物が散乱しているからな。

 その間にテーブルの上やゴミを簡単に片付けた俺は、ふと、気付いてしまった。


 ──ヒメはどこで寝るつもりだ?


 確認するまでもなく、俺のベッドだろう。

 今までに、一度たりとも布団は使っていないんだ。


 隣の部屋の布団は一組。

 雑魚寝とは言え、六畳一間に男が3人寝るのは狭いだろう。
 

 ……だから。


 考えるまでもなく、ヒメはこっちに戻ってくるだろうな。

 来なかったら奇跡だ。


 その奇跡を信じてベッドに入ろうとしたら、ペタペタと足音が聞こえてきた。