誘惑プリンセス【BL】

「──律、そろそろ帰るぞ」


 気が付けば、日付を超えてかなり経っている。


 うつろな目をした陣くんは、空いた缶を捻って小さくしながら律くんに呼び掛けた。


「うわ……っ、陣、かなり酔ってる」


 律くんの言葉通り、「帰るぞ」とか言いながらも陣くんはテーブルに頭をつけている。

 半分寝てしまっているんだろう。


「隣に布団あるから泊まっていけよ」


 家主の俺を無視してヒメが言う。


 確かに隣に布団は有るけど、一組しか無いの分かって言ってんのか?


「え、良いんですか?」

「別に良いよな、恭介?」


 この段階で漸く振られて、「ダメだ」と言える訳がない。

 それ以前に、酔い潰れた陣くんを叩き起こして帰す程、俺は鬼じゃない。