誘惑プリンセス【BL】

「俺、こう見えて相手のこと束縛するし、ドSだから……律のこと、絶対に泣かすよ?」


 何がドSだ。

 何が泣かせるだ。


 お前のは単なる我が儘だろ?

 それに……何だかんだで、結局泣いたのはヒメじゃないか。

 律くんを諦めさせるハッタリとはいえ、聞いていていいモンじゃない。


「えー……、俺が女役ですか」

「当たり前だろ」

「やっぱいいです。ヒメノさんだったら抱いてもいいかなーなんて思っただけなんで」


 物凄く残念そうな顔をして、律くんが起き上がる。

 得意気な顔をしたヒメは、グイ、と缶を煽った。


「律って彼女とかいねーの?」

「居ないからギターが恋人です」

「うっわ、カワイソー」

「じゃあ、ヒメノさんが慰めてくださいよ」

「嫌だ」


 聞くに堪えない会話が続く中で、俺と陣くんの目の前には空き缶の山が出来上がる。

 口の挟みようがないんだから仕方ない。

 飲んで気を紛らすしかない。