誘惑プリンセス【BL】

 
 クサかったり恥ずかしいことを言ってる自覚はしっかりある。

 それでも、言葉を惜しまずに言わなければならない時というものが稀にある。

 モゾモゾと動き出したヒメは、涙で濡れた顔もそのままに俺と目を合わせる。

 どちらからともなく唇が重なって……。

 俺の上に乗り上げたヒメはニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた。

 そのまま身体を起こすと、布団がズレて白い上半身が露わになった。

 カーテン越しの明るい日差しに照らされて浮かぶ紅い印が目に痛い。

 思わず顔を背けてしまうと、両手でがっしりと顔を掴まれ、無理矢理正面を向かされた。


「俺から逃げんな」

「な、なんだよ、急に」

「俺ってさ、独占欲強い方なんだよね。ベッドの上で余所見されんのってすっげームカつく」


 言い終えるなり、噛み付くような荒いキスで俺の思考を全て奪っていく。

 身体は徐々に熱を帯びて、荒い息遣いと水っぽい音が部屋に響き出す。


「恭介」


 熱く囁かれて。

 妖しく揺らめく腰に誘われて。

 直ぐ目の前にある甘い誘惑に、俺は手を伸ばす。


「ヒメ──」


 俺からヒメへ。

 初めて口にする誘い文句に、ヒメはニヤりと笑みを見せた。


fin