「大丈夫だよ」 『分かりました。じゃあ、また連絡しますね。今日はこれで』 「ありがとう、陣くん」 電話を切って、一呼吸。 ヒメの事を考えると変に焦ってしまうけど、陣くんと話したお陰なのか少し気持ちが軽くなった気がする。 気持ちが緩んだのか、急に眠気が襲って来た。 それに誘われるままベッドに倒れ込むと、ふわりとヒメの匂いが舞う。 甘い、果実系の香水の香り。 女の子みたいだけど、それがヒメのお気に入り。 「ヒメ……」 思わず呟いて、俺は目を閉じた。