「心配かけんなよ〜……。 ……ばかぁ………」 ひくひく肩を揺らして泣いていると、虎太郎が頭を撫でてくれた。 「ごめんて…。 そんなぶつかったくらいで大怪我しないって」 「……………。」 いつもは、茶色の髪の毛で、犬みたいだなって思ってたけど……。 頭を撫でる大きな手が、 ―――あぁ、男の子なんだな…。 って、改めて思った。 そんな様子を、坂井 瞬クンは、顔色を変えずに眺めていた。