「いつも通り、平常心だよ♪ それでもダメなら……」 私は手の平に“人”の字を指で3回書いて飲み込んで見せた。 「ね?これで大丈夫だよ」 ニヒッと笑って見せると、虎太郎もニヒッと笑った。 「サンキュー」 そういうと、お互いに練習に戻った。 ―――あ、前の壁に、坂井 瞬クンが居る。 もう…さっき、胡兎が変な事いうから緊張してきちゃったじゃん。 そう考えていると、ますます緊張していった。