カツカツと、静まり返った校舎に響き渡る二人の靴音。

外で荒れ狂う暴風雨は、いよいよ稲光と雷鳴を伴って激しさを増していた。

もしやこの暴風雨は、女生徒の霊が呼び寄せているのではないか。

そんな風に思ってしまう。

それほどまでに、上の階に上がるほど感じる魔力は濃密になりつつあった。

最早人一人の力で絞り出せる魔力量ではない。

悪霊という、人間より1ランク上の存在になった事で、ここまでの力を身につけるに至ったのだろう。

そして、その力でこの学園の生徒達に仇なしていたのか。

恐怖はある。

しかしそれ以外にも、許せないという感情が心の奥底にふつふつと湧き上がる。

ここは私の学園だ。

仲間達の学び舎だ。

優等生ばかりではないけれど、愛すべき友人達と共に過ごす我が家同然。

そんな大切な場所を、薄暗い感情で汚されるのは我慢ならない!