風紀委員長ミーシャの事件簿

騒々しいクラスメイト達の誤解と偏見をようやく解いたのは、その日の昼休みになってからだった。

すっかり疲れ果てた私は、それでも捜査の途中経過を聞く為に風紀委員会本部でラインハルトさんと合流する。

クラスメイト達の尾行を撒くのに、少々手間取ったりはしたのだが…。

「遅くなって申し訳ありません、ラインハルトさん」

執務室の席に座り、私は呼吸を整える。

「いや、構わないよ。ミーシャも学業と風紀委員職務を掛け持ちの上、こんな仕事まで…大変だね」

さりげない優しさを見せてくれるラインハルト様…もとい、ラインハルトさん。

いけないいけない。

ミーハー癖が顔を覗かせそうになって、私は自重する。

「それで…捜査の進展具合の方はどうですか?」

「…芳しいとは言えないね」

彼は整ったその顔を曇らせた。

「有力な情報というのが全く見当たらない。あれだけの大きな事件事故だったというのに、肝心な事件発生の瞬間を目撃した人物が一人としていないんだ…事件直前と発生直後の目撃証言はあるのに…肝心な発生の瞬間がスッパリと抜け落ちてしまっている」

確かに、そこが一番重要な部分だというのに…。

「それで…僕は一つの仮説を立てたんだが」

ラインハルトさんは身を乗り出した。

「この事件…犯人は『生物』ではないのかもしれない」