風紀委員長ミーシャの事件簿

廊下に這い蹲る生徒。

ラインハルトさんはそれを悠然と見下ろす。

「もうやめろ。力の差は理解できただろう?」

それは傍目に見ていても歴然としていたが、言われて素直に受け入れられるほどその生徒もプライドは低くない。

猛然と立ち上がり、今度は蹴り技も交えた連続攻撃を繰り出してくる!

左右の突き、下段蹴り、横蹴り、顔面への回し蹴り!

見た目は派手で豪快な攻撃が続く。

素人ならばこの攻撃を見せられるだけで、体が萎縮して手出しできなくなるだろう。

しかし、ラインハルトさんは違った。

先程と同様、攻撃を受け流しつつ生徒の技を見極め。

「ここだ」

生徒が上段回し蹴りを放った瞬間、足払いで生徒の軸足を払う!

「うぐっ!」

蹴りを繰り出している途中で軸足を払われ、生徒はまたも無様に転倒した。