風紀委員長ミーシャの事件簿

ラインハルトさんは静かに身構える。

「本来ならば暴力事件に発展する所だが…兄さんの学園内だ。今大人しくすれば大目に見よう」

「何を偉そうに!」

当然血気盛んな第二徒手空拳部の部員だ。

ラインハルトさんの忠告も無視して殴りかかる!

左右のコンビネーションを駆使して拳を繰り出す生徒。

素行が悪いとはいえ、仮にも武道を習得している生徒だ。

その攻撃は、街中のゴロツキとは比べ物にならない。

それほどの攻撃を、ラインハルトさんは素早い手捌きで次々と受け流していた。

真っ向から受け止める訳でも、回避する訳でもない。

相手の力に逆らわず、その力を逆に利用して受け流し。

「はっ!」

一瞬の隙を突いて生徒の手首を取り、突進力を利用して床に転がした!