風紀委員長ミーシャの事件簿

「うるせぇんだ部外者が!」

生徒の方が即座に拳を振るう。

流石粗暴な第二徒手空拳部。

口より先に手が出てしまった。

「ラインハルトさん!」

私は思わず口走り、捕縛魔法の詠唱に入ろうとする。

しかし。

「!!」

その団員…ラインハルトさんの動きはまるで流水のようだった。

生徒の拳に逆らう事なく拳を受け流しながら懐に入り込み、同時に抉り込むような肘打ちを生徒の胸板へ!

「がっ!」

大柄な生徒が一撃でよろめいた!

あの技は、以前第一徒手空拳部の部員が使っていたのを見た事がある。

裡門頂肘。

中国拳法…中でも八極拳といわれる流派の技だった。