風紀委員長ミーシャの事件簿

と。

「どうやらミーシャは、独自に事件を調べていたようだね。風紀委員として当然と言えば当然かもしれないが…なかなかの行動力だ」

「!!」

ハッとして、私は顔を上げた。

私が事件について調べていた事は、先刻お見通しだったようだ。

この分だと、私がクラリエ教諭に疑いの目を向けていた事も承知の上なのかもしれない。

「も…申し訳ありません学園長…風紀委員とはいえ、独断でこのような…」

「いや、構わないよ」

別段咎めるでもなく、彼は柔和に微笑んだ。

「君も学園の事を思っての行動だったんだろう。それを特に責める気はない。学園内での事件だし、まず学園内の人間を疑うのは定石であり当然だ。それも咎めはしない。ただ…」

ソファから身を乗り出し、両手を合わせ。

学園長は声を潜めるように呟いた。

「憶測でしかないが…今回の件、僕は外部の犯行ではないかと考えているんだ」