ぽっちゃり彼女


《愛稀Side》





本当に来てくれた仲原さん


スーツで…ネクタイ
緩んでるけど

髪も崩れ気味




だけど…………




あたしが抱き着いたら
ギュッと右手で
だきしめてくれた

怒られたけど(泣)






仲原さんの肩にかかる
茶色襟足の髪が
あたしのほっぺにあたる

ふわふわの髪の毛に
仲原さんの匂い


香水…なにつけてるんだろ




「で、何が怖かったんだ?」


背中をポンポンしながら
優しく、あたしに
問い掛ける


また、子供扱いしてぇ…






「ホラー映画入ってるの気付かなくて、見ちゃったの…」



「はっ(笑)それだけか?」

「それだけ…。くだらない用事で呼んじゃってごめんね?」




仲原さん仕事で
疲れてるんだよね…



「…俺は愛稀に会いたいから全然いんだよ。彼氏にんな気使うなっつの」


そう言うとあたしの
おでこにキスをした






「わかったか?」



「あたしに、会いたいって言ったの??」


「…おう」





「………好き〜ぃ…」





なんで仲原さんは
会いたい なんて甘い言葉
あたしに言って
くれるんだろう
あたしなんかに…








「……俺も好き」



「…んっ」







仲原さんの…大好きな
仲原さんの顔が
ゆ〜っくり近付いてきて
あたし達は唇を重ねた